時代の躍動の一方で、列島は過酷な自然の猛威にも直面した。4月に熊本県を襲った大地震は、わずか28時間の間に震度7の揺れが2度連続して観測されるという前代未問の事態を引き起こした。威容を誇っていた熊本城の石垣が無惨に崩落した光景は、日本中に強い衝撃を与えた。
現行の耐震基準を満たしていたはずの建物が連続する激震で倒壊した現実は、建築防災の専門家に大きな課題を突きつけた。被災現場ではSNSを駆使した安否確認や物資の融通が威力を発揮した半面、真偽不明のデマ情報が拡散するリスクも浮き彫りとなった。情報インフラの利便性と脆弱性の双方が露呈したこの経験は、その後の防災計画や危機管理体制のあり方を大きく見直す契機となった。