『太陽の季節』で時代の寵児となった後も、彼女の進化は止まらなかった。今や映画史の傑作として世界的に高く評価されている『豚と軍艦』(1961年、今村昌平監督)での演技は、まさに圧巻の一言に尽きる。米軍基地の街・横須賀を舞台に、欲望と混沌のなかを生き抜く女性を泥臭くも力強く演じきった。
都会的で洗練されたイメージを覆し、人間の業や生々しい感情を曝け出したこの作品によって、彼女の評価は演技派女優として揺るぎないものとなった。リアリズムを追求する映画人たちとの格闘の中で磨かれたその演技力は、後進の役者たちにも計り知れない影響を与えている。日本映画界が最も輝いていた時代、彼女はその真ん中で光を放ち続けていたのだ。