ミュージシャンがスクリーンの世界へ進出する例は決して珍しくない。しかし、双方の領域でここまで批評的・商業的成功を収め、構造そのものに影響を与えた例は極めて稀だ。深瀬慧という存在は、日本映画界と音楽業界の間にある見えない壁を呆気なく崩し去った。
彼が所属するトイズファクトリーとのパートナーシップも、単なる楽曲リリースにとどまらない立体的な展開を見せている。作品のテーマソング制作だけでなく、映像のビジュアル世界観や劇伴のトーンに至るまで多角的に関与。カルチャーのジャンルを横断して縦横無尽に振る舞うそのプレゼンスは、今後の日本のエンターテインメントのあり方に大きな示唆を与えている。