2000年代半ば、井川遙は「癒し系グラビア女王」というあまりにも強固なパブリックイメージからの脱皮を図る。水着撮影から距離を置き、本格的に演技の道へと邁進し始めた時期である。
ドラマ『空から降る一億の星』でのブレイクスルー
2002年に放送されたフジテレビ系月9ドラマ『空から降る一億の星』への出演は、彼女の演技キャリアにおいて大きな転換点となった。木村拓哉や深津絵里といった実力派と共演する中で、良家のお嬢様役を熱演。アイドル的タレントから、シリアスな演技もこなせる女優へと脱皮するための第一歩を踏み出した。
その後も、映画『トウキョウソナタ』(2008年、黒沢清監督)やNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(2018年)など、名だたる監督や脚本家の作品に起用され、高い評価を獲得していく。
脇役から確固たる存在感を示すキーパーソンへ
彼女の演技力の進化を決定づけたのが、2013年のNHKドラマ『ガラスの家』や、大ヒットドラマ『半沢直樹』(2020年版)での小料理屋の女将役である。単に綺麗なだけではない、人生の酸いも甘いも噛み分けた大人の女性の情緒や影を演じ分けられる女優として、視聴者と批評家の双方から絶賛を浴びた。