夕方のNHK総合テレビジョンで流れる伝統的な大相撲中継や、若い世代を中心に定着したABEMAでのマルチアングル配信。画面越しに観客が歓声を上げ、座布団が乱舞するシーンを見るとき、カメラの向こう側では2つの「お金」が動いている。
一つは、取組直後に呼出から手渡される「懸賞金」の現金だ。1本あたり手元に流れる現金(諸経費・税金控除後)はその場で力士の手に渡る即効性のあるボーナスだ。そしてもう一つが、画面には映らない「持ち給の加算」である。
テレビ中継の解説者が「価値ある金星ですね」と語るとき、それは単に金星の称号を得たことへの称賛だけではない。その1勝によって、その力士の毎場所の手当が未来永劫にわたって増額された瞬間を意味しているのだ。