検索エンジンで大学名を打ち込むと必ずサジェストされる「やばい」というキーワード。なぜそのような噂が流布しているのか、現場の在学生や関係者への取材から浮き彫りになった理由は大きく3点に集約されます。
第1の理由は、毛呂山キャンパスの極めてストイックな立地環境です。医学部の学び舎が置かれている埼玉県入間郡毛呂山町は、緑豊かな山々に囲まれた長閑な丘陵地帯です。都心の華やかな大学生活を思い描いていた新入生にとって、周囲に商業施設や娯楽が極めて少ない環境は「田舎すぎてやばい」という強烈なカルチャーショックとなります。しかし裏を返せば、誘惑が一切排除された環境で医学の膨大な勉強に没頭できるという、医学生にとって理想的な缶詰め空間とも言えます。
第2の理由は、徹底した進級基準と留年に対するシビアなプレッシャーです。埼玉医科大学では、基礎医学から臨床実習(ポリクリ・クリクラ)に至る各年次において、理解度が基準に達していない学生を厳しく落とす進級管理が敷かれています。SNSや受験掲示板で「留年率が高くてやばい」と悲鳴が上がるのは、学力の伴わない学生をそのまま医師国家試験の場に送らないという大学側の教育的ポリシーの裏返しです。
第3の理由は、附属病院の症例数と医療現場のハードさが「凄すぎる」という医療従事者側の畏敬の念です。後述する川越の救急や日高の高度がん治療など、全国屈指の難症例が集まる現場は、初期研修医や実習生にとって「症例数が多すぎて息つく暇もない」ほどの激務環境です。この臨床現場の凄まじさが、ネット上で転じて「やばい」という言葉で表現されています。