失恋の痛手は、時に表現者にとって最大のガソリンとなる。破局後の趣里の活躍は、まさに目を見張るものがあった。映画『生きてるだけで、愛。』での狂気と繊細さが同居する演技で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。さらに、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロイン役で、お茶の間のスターへと駆け上がった。
もしあのまま穏やかな恋愛に身を置いていたら、現在の尖った、剥き出しの感性を持つ「女優・趣里」は存在しなかったかもしれない。プライベートの挫折をすべてスクリーン上のエネルギーへと昇華させる強かさが、彼女にはあった。