ミームの波及力は、エンターテインメントの枠組みを完全に踏み越えた。近年の選挙戦や社会運動において、政治家や活動団体はポスターや演説以上に、拡散しやすい政治的ミームの制作に注力している。風刺を効かせた画像は、硬苦しい政策論争よりも遥かに速く、有権者の感情を揺さぶるからだ。
しかし、その強大な力は深刻な影も落とす。文脈を意図的に歪めたディープフェイクミームや、悪意ある世論誘導(プロパガンダ)が、ユーモアの皮を被って拡散するケースが後を絶たない。「面白ければ真実かどうかは二の次」というネット特有のノリが、ファクトチェックを容易に無力化してしまう危うさを孕んでいる。