長打の歴史を語る上で避けて通れないのが、歴代怪童たちが築き上げた途方もない数字の山だ。バリー・ボンズが2001年に打ち立てたシーズン73本塁打、そして通算762本という記録は、今なおメジャー史にそびえ立つ巨大な記念碑である。当時の球界を包んだ異様な威圧感、勝負を避けられ続けた中で甘い球を一撃で仕留めた選球眼とバットコントロールは、今振り返っても戦慄に値する。
その系譜を受け継ぎ、クリーンな新時代の象徴としてア・リーグ記録を塗り替えたのがアーロン・ジャッジだ。2メートルを超える巨躯から繰り出されるスイングは、ピンポン玉のようにボールを弾き飛ばす。ボンズの時代からジャッジ、そして大谷へと続くスラッガーの系譜は、パワーと技術の究極系が時代とともにどう変遷してきたかを鮮烈に物語っている。