二人の物語の原点は、1960年代の映画界にある。当時、破竹の勢いでヒット作を連発していた日活株式会社の撮影所は、連日活気に満ちあふれていた。その中心で清純派女優として圧倒的な人気を誇っていたのが芦川いづみであり、若手実力派として頭角を現しつつあったのが藤竜也だった。
共演作を重ねる中で、二人の距離は自然と縮まっていった。スター同士の恋ゆえに世間の熱い視線に晒されることも多かったが、二人が育んでいたのは、極めて静かで誠実な愛情だった。派手な浮名が飛び交う芸能界において、互いの人間性に深く惹かれ合い、静かに愛を温め続けた姿勢は、当時から関係者の間でも高い評価を受けていた。