無印良品のデザインアドバイザリーボードを務める深澤直人が提唱してきた「Without Thought(人の無意識の行動に寄り添うデザイン)」の思想は、過密化する現代の車内空間において一層の輝きを放っている。ドライバーが運転中、あるいは休憩中に意識せずとも自然に手が伸び、直感的に使えるフォルム。そこには一切のノイズが存在しない。
近年の新型車は大型ディスプレイやタッチパネルが主流となり、コックピット周辺はデジタルな情報で溢れかえっている。だからこそ、触れる小物類にはマットな質感や穏やかなアースカラーが求められる。深澤直人らが築き上げたミニマリズムは、ハイテク化が進む自動車のインテリアに対する最良のカウンターパートとして機能しているのだ。