物語の核心にあるのは、時空を超えた親子ふたりの奇跡的な巡り合いだ。不治の病に侵された息子・時生が、まだ若く自暴自棄だった父親・拓実の前に現れ、1970年代の昭和の東京を舞台に時間を共にする。一見すると突拍子もないタイムトラベルの設定でありながら、ストーリーを貫くのは不器用な若者の葛藤と、運命を受け入れて未来へ繋ごうとする深い愛だ。
物語の終盤、時空の歪みが閉じようとするなかで明かされる真実と衝撃のラスト。息をのむような運命の答え合わせに、初読時に涙を流したファンは数知れない。親が子を思い、子が親の青春を温かく見守る。その逆転した時間軸が生み出す切ない余韻こそが、時代を問わず観客の心を揺さぶり続ける最大の理由と言える。