チケットを手にし、潮風が吹き抜ける長い連絡橋を渡る。足元で砕ける白波に少し足がすくむかもしれない。塔の内部に入ると、待っているのは地下へと続く70段余りの螺旋階段だ。一段ずつ下りるにつれて、波の音が遠ざかり、代わりにひんやりとした湿気と、どこか厳かな静寂が満ちてくる。この独特の緊張感こそ、人工の水族館では決して味わえないリアルな海底へのアプローチだ。
最下層の展望室に到着すると、そこはまるで潜水艦の内部。24個の丸窓から差し込む光は、その日の天気やプランクトンの量によってエメラルドグリーンから深いディープブルーへと表情を変える。泳ぐ魚たちは餌付けされていない野生そのもの。荒天の日には、波に揉まれながら必死に岩陰に身を潜める魚たちのリアルな生態を観察できるのも、この施設の醍醐味だ。