この事故は、現行法令が抱える根深いグレーゾーンを白日の下に晒した。国内の常設型のアトラクションは通常、建築基準法に基づく工作物や遊戯施設として厳格な定期検査が義務付けられている。一方で、駐車場や広場を区切って一時的に営業する移動式サーキットやイベント型のカートコースは、遊園地・テーマパーク施設の法組みから外れやすいという「法規制のエアポケット」に陥っているのが実情だ。
日本自動車連盟 (JAF) が定める厳格なモータースポーツ安全基準は、公認レースや専用サーキットには適用されるものの、商業用ミニカート施設への強制力を持たない。その結果、コースのレイアウト審査や衝突吸収設備の基準、コースマーシャルの配置基準が各事業者の自主判断に委ねられていた。専門家からは、レジャーと本格モータースポーツの中間に位置するアクティビティに対し、横断的で統一された公的レギュレーションを早急に策定すべきだとの批判が噴出している。