旅先で授かった健康祈願の品、学問成就を願うお札、交通安全の錦袋など、気づけば家の中に複数のお守りが集まっているケースは多い。ここで生じるのが「神様同士が喧嘩するのではないか」という素朴な疑問だ。伊勢神宮の主祭神である天照大御神と、学問の神として親しまれる天満宮の菅原道真を同じ空間に並べてよいのか、不安を抱く声は根強い。
神社本庁の見解や神道・日本民俗学の観点から言えば、日本の神々は八百万(やおよろず)の概念に基づき、互いに調和し協調し合う存在であるため、複数の神社のお守りを並べて置くこと自体に何ら問題はない。ただし、神社のお守りと寺院(仏教)の授与品を重ねて置くのは避けるべき作法だ。神仏習合の歴史はあるものの、現代においては神道と仏教の尊厳をそれぞれ保つため、左右に少し距離を離して配置するのが最もスマートな礼儀とされる。