ブランドの原点を辿れば、1949年に創業者の鬼塚喜八郎が神戸で興した一足のバスケットボールシューズに行き着く。「スポーツを通じて青少年の健全な育成を」という創業の理念は、やがて株式会社アシックスの基盤となり、競技用シューズの枠を飛び越えて世界的なライフスタイルブランドへと昇華した。
その歴史と技術の粋を集めた最高峰が「NIPPON MADE コレクション」だ。オニツカタイガー新宿のフロアでもひときわ重厚な存在感を放つこのシリーズは、日本の熟練職人が手作業で革の染め上げやヴィンテージ加工を施している。ステッチ一本の歪み、レザーのシボ感、手に取った瞬間に伝わるしなやかさ。大量生産の工業製品とは一線を画すクラフツマンシップが、本物を知る大人の心を捉えて離さない。
単なるノスタルジーに浸るのではなく、過去のアーカイブを現代のテクノロジーと職人技で再構築する。この妥協なき姿勢こそが、移り変わりの激しいストリートファッションの潮流において、ブランドが揺るぎない地位を保ち続ける最大の要因だろう。