重大な事件や失踪事案が発生するたびに、ネット上ではいわゆる「特定班」や考察系インフルエンサーによる過度なプロファイリングが行われる傾向があります。南丹市の行方不明事件においても、父親に疑いの目を向ける不条理な言説が複数のコミュニティで急増しました。
南丹市で行方不明事件が起きた際、父親が犯人であるかのような説が浮上した理由には、いくつかの典型的なネット心理と誤認が関係しています。
第一に、「通報までのタイムラグ」に対する勝手な解釈です。家族がパニックに陥りながら自力で近隣を探し回った時間を、ネット上のユーザーが「通報が遅すぎる」「何かを隠蔽しようとしていたのではないか」と邪推したことが発端となりました。
第二に、メディア取材時の受け答えや表情の切り取りです。極度の疲労と憔悴の中での発言が、一部の動画や掲示板で文脈を無視して切り取られ、「悲しんでいるように見えない」「不自然な供述だ」といった悪質な印象操作が行われました。
第三に、密室性や現場の地理的条件です。第三者の目撃証言が少なかったことから、「身近な家族しか犯行は不可能」という短絡的な推理がSNSのタイムラインを埋め尽くす事態となりました。