東京・杉並区の西荻窪駅から徒歩数分、ウッディでストリート感あふれる外観の前に連日できる長蛇の列。麺尊RAGE 西荻窪がこれほどまでに人々を魅了し続ける最大の理由は、既存のラーメン店の枠組みを軽やかに打ち破る「カルチャーの融合」と「圧倒的な素材主義の調理技術」にあります。
店主の原田達也氏は、福生の有名店『カッパ64』などで腕を磨いたのち、2015年に同店をオープンしました。店名の「RAGE」はアメリカの伝説的ロックバンド「Rage Against the Machine」に由来しており、店内にはスケートボードのデッキやポスターが飾られ、BGMには心地よいオルタナティブロックやヒップホップが流れます。一見するとカジュアルなカフェやバーのような雰囲気でありながら、カウンター越しに供されるラーメンは、寸分の狂いもなく計算された究極のクラフトワークです。
看板メニューである麺尊RAGE 軍鶏そばは、丼が運ばれた瞬間から立ち上る芳醇な香りで食べる者を圧倒します。スープの主軸となるのは、東京軍鶏を中心に、近江黒鶏や天草大王といった最高峰の地鶏・銘柄鶏ガラや丸鶏を惜しみなく投入した重層的な鶏出汁。そこにキレのある生揚げ醤油(火入れしていない生醤油)を数種類ブレンドしたカエシを合わせ、表面には黄金色に輝く上質な鶏油(チーユ)を浮かべています。ひと口含むと、鶏本来の野性味あふれる力強いコクと、醤油の華やかな酸味・香ばしさが口内いっぱいに広がり、後味は驚くほどクリアに抜けていきます。
合わせる麺は、名門「三河屋製麺」と共同開発した特注の低加水中細ストレート麺。パツンとした歯切れの良さと、スープを過不足なく持ち上げる吸水性のバランスが見事で、食べ進めるごとにスープの温度変化とともに麺の表情が変わる楽しさも計算し尽くされています。さらに、低温調理でしっとりと仕上げられた豚肩ロースと鶏ムネ肉のチャーシューは、素材本来のジューシーさを残しつつスープの邪魔をしない絶妙な味付け。この一杯にかけるストイックなまでの情熱が、麺尊RAGE ミシュラン ビブグルマンの栄冠を長く維持し続ける原動力となっています。