日本国内の学術リサーチデータベースであるJ-STAGEやCiNiiで公開されている論文を紐解くと、教育経済学の知見に基づく実証分析が数多く蓄積されている。これらの最新研究が示すのは、相対年齢効果の長期化という実体だ。
従来、「身体や脳の発達が追いつく高学年や中学生になれば、生まれ月の差は自然に消滅する」と楽観視されてきた。しかし、教育経済学の手法を用いた厳密なデータ分析によれば、高校生の標準化テストの成績や、難関大学への進学率、果ては成人後の平均年収にまで、統計的に有意な差が残滅しているケース報告がある。初期の小さな認知・非認知能力の差が、自己効力感の欠如となり、累積的な格差へと増幅していく現象が作用していると考えられる。