かつてのペアルックといえば、恋人同士が親密さを周囲にアピールするための、少し気恥ずかしいイベントのようなものだった。しかし、今の若者たちの意識は違う。彼らが求めているのは、他者への誇示ではなく、内輪での強固な繋がりだ。スマートフォンの画面越しではなく、同じ質感の服を肌で感じることで得られる安心感。それが現代の若者たちが共有する新しい価値観である。
特に都市部では、カップルだけでなく、同性の友人グループや、時には親子で同じデザインを着用するケースが急増している。記者が都内のセレクトショップで取材した20代の大学生は、「同じ服を着ていると、言葉にしなくても『私たちは同じコミュニティの人間だ』という連帯感が生まれる」と語った。