ファンの間で長年議論されてきた「桜井和寿の歌詞はどのように生まれるのか」という問い。その核心に、本人が初めて切り込んだ。「実は、最初から完璧なメッセージを伝えようとして歌詞を書いたことは一度もないんです」――そう明かした彼の言葉は、あまりにも意外だった。
作詞の過程において彼が最も恐れているのは、言葉が持つ説教臭さや、特定の感情を強制してしまうことだという。ノートに向かい、何度も言葉を削ぎ落としては打ち捨てる。時に数か月間も一行のフレーズと格闘し、最終的に残った「無防備な生の感情」だけをメロディに乗せる。リスナーが自分の人生を歌詞に重ね合わせることができる余白を残すことこそが、作詞における最大の秘密であり真実なのだと、彼は噛み締めるように語った。