2012年ロンドン五輪で銅メダルを獲得した眞鍋政義の功績は、iPadを駆使した「IDバレー」の導入だった。データをリアルタイムで選手に還元し、感覚に頼っていた戦術を数値化した。このイノベーションは、世界のバレー界に大きな衝撃を与えた。
一方で、初の女性監督として期待を背負った中田久美の時代は、コロナ禍という未曾有の事態と東京五輪の延期に翻弄された。彼女が目指した「伝説の継承」は、結果としてメダルという形には結びつかなかったものの、選手の主体性を重んじる指導法は、その後のチーム作りに小さくない影響を与えている。そして再びマイクを握った眞鍋による「パリへの挑戦」は、日本バレーが培ってきたハイテク分析と泥臭い情熱の融合そのものだった。