映画『トイ・ストーリー』のクライマックス、引越しトラックを追う疾走劇はまさに圧巻の一言だ。ロケット花火を背負い、バッテリーが切れかけるRC(ラジコンカー)を全力で操縦するウッディ。おもちゃたちの友情と覚悟が試されるこのシーンは、単なる子供向け作品の域を完全に超えていた。迫りくるタイヤの恐怖、路面の凸凹を跳ね飛ばすスピード感。まさに王道のアドベンチャー映画が持つスリルそのものだ。
RCは言葉を発しない。しかし、その目線の動きやモーターの回転音、アンテナのしなり具合だけで豊かな感情を表現してみせた。この視覚的ストーリーテリングこそがピクサーの真骨頂である。引っ越しトラックの床下をすり抜け、危機一髪でバズを助け出すシークエンスは、今見返しても息をのむテンポの良さがある。