搬出当日の朝、あるいは前日までに必ず完了させておかなければならないのが水抜き作業だ。本体内部やホース内に残留した水は、運搬中の揺れによって基板へ浸水し、一瞬で電子回路をショートさせる原因となる。水抜きの基本手順は極めてシンプルだが、順番を間違えると水が噴き出す大惨事になりかねない。
まず給水ホースの水抜きから着手する。洗濯槽を空にした状態で水栓を閉じ、通常コースで1分ほど運転させる。これにより給水ホース内の圧力が抜け、残留水が槽内へ排出される。運転停止後に電源を切り、給水ホースを取り外す。次に、電源を再度投入して最も短い「脱水」サイクルを1分間だけ実行。ドラム内や排水トラップに残った余剰水を完全に切った後、電源を落として排水ホースを外すのがプロの鉄則だ。
さらに、パナソニック株式会社をはじめとする主要メーカーの製品で絶対に忘れてはならないのが、輸送用固定ボルトの装着である。ドラム式全自動洗濯機は内部のサスペンションで重いドラムを吊り下げる構造になっており、このボルトで固定せずにトラックで運搬すると、走行中の振動でサスペンションが破損し、一発で廃車ならぬ「廃家電」と化す。引越輸送業の現場でも、ボルト紛失によるトラブルは後を絶たない。事前に購入時の固定ボルトが手元にあるか確認し、失くした場合は即座にメーカーパーツを取り寄せる必要がある。