今回発見された資料の中で最も注目を集めているのが、メイン会場となる予定だった駒沢競技場の詳細な設計図だ。現在の駒沢オリンピック公園がある場所には、木造と鉄筋コンクリートを融合させた、当時世界最大級のスタジアムが建設される計画だった。設計を手がけたのは、モダニズム建築の先駆者たち。彼らが夢見たのは、日本の伝統美と西洋の機能主義の融合である。
しかし、鉄不足が深刻化する中で計画は縮小を余儀なくされていく。コンクリートから木材へ、そして最終的には紙の上の幻へと消えた。残されたパース画には、夕暮れ時の光を浴びる巨大なスタジアムが描かれており、当時のクリエイターたちの無念が滲み出ているかのようだ。