彼女の音楽的軌跡は、日本のJ-POP史そのものと言っていい。1990年代、小室哲哉の手によって送り出された『CAN YOU CELEBRATE?』などのメガヒット群は、当時のエイベックス・グループの象徴だった。その後、セルフプロデュースへの移行や自主レーベルDimension Pointの設立を経て、キャリアの集大成であるラストアルバム『Finally』へと至る。
ここで問題となるのが、時代ごとに音源の保有権利者が異なっているという点だ。初期の小室ファミリー時代の楽曲、中期のR&B・ダンスポップ路線、そして晩年のレーベル直轄音源では、それぞれ契約条件や管理主体が異なる。すべての楽曲が一斉にサブスクから消えた裏には、これらの権利を個別に処理するのではなく、カタログ全体として再編しようとする試みがある。