タモリさんが赤塚さんに捧げた弔辞の全文は、現在も名文として語り継がれています。その語り口は、形式ばった儀礼的な追悼文とは一線を画すものでした。
弔辞の中でタモリさんは、赤塚さんの思想や生き様を独自の視点で紐解いていきます。
「あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。それを受け入れることによって、人間は重苦しい陰の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前向きに進んでいく。これこそがあなたの哲学であり、見事にそれをギャグによって表現していたのです」
赤塚ギャグの本質を「あるがままの肯定(=これでいいのだ)」であると鮮やかに定義したタモリさんは、スピーチの最後に、今なお多くの人の胸を打つ最高の名言を残しました。
「肉体は永遠ではありません。しかし、あなたの残した作品、その思想は永遠に溶けず、残っていくでしょう。私もあなたの数多くの作品の一つです。赤塚先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました。安らかにお眠りください」
自分という人間、タモリという稀代のタレントそのものが、赤塚不二夫という天才が面白がって創り上げた最高傑作である——恩師への最大限のリスペクトとユーモア、そして感謝が凝縮されたこの結びは、追悼スピーチの最高峰として絶賛されました。