国際医療福祉大学で教鞭を執りつつ、医療政策の立案にも積極的に関与する中で、和田教授が一貫して提示してきたのは「現場の負荷を減らす構造改革」だ。
日本の医療現場は世界最高水準のアクセスを誇る一方で、特定の基幹病院や医療従事者に負担が集中しやすい構造的な脆さを抱えている。特にパンデミック下で露呈した保健所の機能不全や、感染症指定医療機関のオーバーフローは、制度の設計ミスに起因するものだった。
これを解消するため、医師や看護師のタスク・シフト(業務移管)や、オンライン診療を活用した初期相談窓口の分散化が推奨されている。現場の疲弊を防ぐことなしに、質の高い医療の継続はあり得ない。政策のトップダウンと現場のボトムアップをどう噛み合わせるかが、これからの医療改革の成否を分ける。