「アンビリカル」という単語は、もともとアポロ計画などの宇宙開発や深海探査で使われてきた実在の専門用語である。ロケット発射台と機体を結び、打ち上げ直前まで燃料や電力、管制データを送り届ける接続アームを「アンビリカル・タワー」と呼ぶ。発射の瞬間に轟音とともに切り離される機構のダイナミズムを、兵器のメカニックデザインへ大胆に落とし込んだセンスは卓越している。
さらに深層にあるのが、医学的な「臍帯(へその緒)」という象徴性だ。コックピットであるエントリープラグ内は、羊水を模した液体L.C.L.で満たされている。パイロットと機体、そして機体と母体であるNERV本部をつなぐケーブルは、胎児と母親の接続そのものに重なる。精神的に自立しきれない少年少女が、巨大な組織の庇護と呪縛に縛られながら戦場へ駆り出される――その歪な関係性が、背中に突き刺さる一本のコードによって完璧に視覚化されていた。