渡辺裕之さんのキャリアを語る上で欠かせないのが、特撮・アクションジャンルへの貢献だ。彼は子供向け番組と侮ることなく、常に本物のドラマを追求し続けた。
円谷プロダクションが手掛けた平成ウルトラマン三部作の傑作『ウルトラマンガイア』では、対根源破滅地球防衛連合「XIG(シグ)」の石室章雄コマンダー役を好演。冷静沈着でありながら部下を温かく見守る理想のリーダー像は、当時の子どもたちだけでなく大人の視聴者も魅了した。
さらに東映作品においても、映画『劇場版 仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』で強烈な敵役・仮面ライダー幽汽/死郎を熱演。当時50代での仮面ライダー変身は大きな話題を呼んだ。「大人になってもヒーローでいられる」ことを体現した彼の姿は、後輩俳優たちにとっての道標でもあった。