ことの顛末は、かつて東京都渋谷区の閑静な住宅街にあった神社本庁の職員宿舎売却にさかのぼる。2015年に執り行われたこの不動産取引において、物件は市場価格を大きく下回る約1億9000万円という格安価格で特定の不動産業者に売却された。ところが、その直後に同一の物件が別の業者へと転売され、最終的に大手デベロッパーに3億円以上という高値で買い取られていたことが判明する。差額は1億円超。誰がなぜ、このような不自然な取引を主導したのか。
この一連の「神社本庁不動産売却問題」をいち早く報じたのが、『週刊文春』や『ダイヤモンド・オンライン』をはじめとする主要メディアの調査報道だった。ジャーナリズムの執拗な追及によって、売却プロセスにおける不透明な合意形成や、特定幹部周辺への利権供与疑惑が次々と明るみに出る。単なる不動産取引の失策ではなく、組織内部の深部まで病魔が蝕んでいることを浮き彫りにした衝撃的なスクープだった。