血圧の管理を厳格化する最大の目的は、脳卒中や心筋梗塞といった命に直結する血管障害の抑制だ。高血圧は「サイレントキラー(静かなる殺人者)」と呼ばれ、自覚症状がないまま脳血管の硬化を進め、ある日突然、脳出血や脳梗塞を引き起こす。
近年の集積データによれば、収縮期血圧を10mmHg下げるだけでも、脳卒中の発症リスクが約30%低下することが実証されている。そのため、75歳未満の成人における一般的な降圧目標は、診察室血圧で130/80mmHg未満、家庭血圧で125/75mmHg未満へと引き下げられた。早期に血圧をこのターゲット値までコントロールすることが、血管のしなやかさを保ち、健康寿命を延伸させる確実な防衛策となる。