甲子園という大舞台には、魔物が住むとよく言われる。一打サヨナラの場面、満員のスタンドから湧き起こる大歓声。そうした異様な圧力の中で平常心を保つため、高川学園はメンタルトレーニングの導入にも踏み切った。
試合中にピンチを迎えた際、マウンドに集まる内野陣が交わす言葉は極めて具体的だ。「落ち着け」といった漠然とした声かけではなく、「相手の狙いは初球のチェンジアップ」「内野ゴロで1点OK」といった具体的なアウトカウントと配球の優先順位を整理する。局面を脳内で可視化することで、選手たちの焦りは消え、研ぎ澄まされた集中力へと変わる。