青蛙を語る上で欠かせないのが、個性派俳優・我修院達也による独特のボイスキャストだ。「手を出したな!」というあの甲高い声は、一度聴いたら耳から離れない。実はこの声、宮崎駿監督の緻密な演出と、我修院の卓越した声のコントロールが生み出した奇跡の産物だった。
アフレコ当時、宮崎監督は青蛙に対して「ただの嫌な奴ではなく、どこか憎めない生活感を出してほしい」とオーダーしたという。油屋という過酷な労働環境で必死に生き抜こうとする、一介の中間管理職としての哀愁。あの特徴的なビブラートには、単なる悪役ではない、生きるための必死さが込められていたのだ。