民間企業が提供する安価なDNAテストキットによって、親が我が子の「知能タイプ」を手軽に調べる時代が到来している。さらに海外の一部では、体外受精の段階で受精卵のポリジェニックスコアを解析し、より知能が高くなる可能性のある受精卵を選択する「着床前診断」の技術すら議論の遡上に載っている。
この技術は、富裕層が「より賢い子ども」をデザインして産み落とすディストピア的な未来を予感させる。遺伝的な多様性を失った社会は脆弱だ。知能の多様性こそが人類の生存戦略であったはずなのに、私たちは均一化された「優秀さ」を求めるあまり、大切な何かを切り捨てようとしているのかもしれない。