「せっかく隙間テープを窓枠に一周貼り巡らせたのに、手をかざすと冷たい風が入ってくる」――DIYに取り組んだ多くの人が直面するこの現象には、住宅工学とサッシの構造に起因する明確な理由が存在します。サッシ隙間テープで効果が出ない原因の多くは、テープの品質以前に「風の侵入経路」を見誤っている点にあります。
日本の住宅で主流を占める「引き違い窓」は、2枚のガラス戸が交差してスライドする構造上、あらかじめ一定のあそび(隙間)が設計段階で組み込まれています。窓の左右両端(戸当たり部分)だけにテープを貼っても、上下のレール部分や、2枚の窓が重なり合う中央の「召し合わせ(めしあわせ)部分」に隙間が残っていれば、気圧差によって外気はそこから勢いよく流入します。建材メーカーの調査資料によると、引き違い窓における空気漏れの約60%以上がこの召し合わせ部および下部レール交差部に集中していることが判明しています。
さらに見落とされがちなのが、実際の隙間風ではなく「コールドドラフト現象」を風の侵入と錯覚しているケースです。外気温によって冷やされた窓ガラス表面の空気が冷風となって床面へと急降下するこの現象は、ガラス自体の断熱性能が低い場合に発生します。物理的な隙間を塞いでも冷気の対流は止まらないため、ガラス面の断熱シートやニトムズ サッシ枠断熱テープなどを用いたフレーム自体の熱橋(ヒートブリッジ)対策を併用しなければ、根本的な冷えは解消されません。
また、劣化した窓サッシ気密パッキンがすでに潰れて機能不全に陥っている場合、隙間テープを中途半端に追加しても均一な圧着面が作れず、かえって新たな隙間を生み出す原因となります。風がどこから入り、なぜ冷たいのかを正しく切り分けることが対策の第一歩です。