彼らの名を全国区に知らしめた最大の転機は、やはり『M-1グランプリ』や『THE MANZAI』での鮮烈な活躍だ。2015年のM-1ファイナリストとして決勝の舞台で見せたあのシュールかつ静かな狂気を孕んだ漫才は、審査員や視聴者の脳裏に強烈な爪痕を残した。
舞台袖や楽屋裏で語られた当時の裏話として、新道は「ウケるか滑るかのギリギリのラインを攻めることこそが快感だった」と振り返る。王道のしゃべくり漫才が主流を占める賞レースにおいて、間を贅沢に使い、一言の重みで勝負する彼らの漫才スタイルは、まさに革新だった。当時のネタ作りの裏側や、あえて客席を置き去りにしかねないスレスレのワードをチョイスした戦略は、現在の賞レースを目指す若手漫才師にとっても伝説的な語り草となっている。