角界を去った後も、メディアの追跡が止むことはなかった。『文春オンライン』が報じる一挙手一投足は瞬く間にトレンドとなり、TBS系『サンデージャポン』などの情報番組では、その独特な語り口やバラエティ出演時のギャップが繰り返し特集された。かつての近寄りがたい「平成の大横綱」という偶像は、メディアのフィルターを通じて徐々に脱色されていく。
テレビカメラの前で見せる柔らかな笑顔、時折覗かせる少年のような無邪気さ。芸能ジャーナリズムの狂騒に晒されながらも、彼は自らの言葉で語り、不器用ながらも新たな居場所を模索していた。報道が浮き彫りにしたのは、神格化された横綱ではなく、迷い、傷つき、それでも前を向こうとする血の通った人間・貴乃花光司の生々しい姿だった。