1938年、東京・渋谷の路地裏で生まれた彼女の原点は、決して平坦なものではなかった。戦後の荒波のなか、十代半ばにして自活の道を模索し始めた彼女が身を投じたのが、夜の社交界である。まだあどけなさを残しながらも、鋭敏な観察眼と度胸で頭角を現し、弱冠にして自らの城を持つに至る。
当時の写真に収められた姿は、現在の視聴者が抱くイメージとは大きく異なる。引き締まったフェイスラインに、涼しげで強い意志を湛えた瞳。まさに昭和の銀幕女優を彷彿とさせる気品と妖艶さを兼ね備えていた。彼女が身を置いたクラブ・ナイトビジネス業界は、政財界の大物や裏社会の有力者が入り乱れる魑魅魍魎の世界。そこで彼女は、ただ愛想を振りまくホステスではなく、冷徹なまでの交渉力と人心掌握術を誇る経営者として君臨した。
数々の修羅場をくぐり抜け、時に莫大な借金を背負いながらも決して屈しなかったその胆力こそが、のちに占い界の女帝へと駆け上がる不屈のバックボーンとなったことは間違いない。