今回の事故で焦点となっているもう一つの要素が、運転手の雇用形態である。一般には「公用車を運転しているのは国家公務員」というイメージが根強い。だが実態は大きく異なる。近年、各省庁の公用車運行業務は民間業者へのアウトソーシング(業務委託)が進んでいる。
委託ドライバーの場合、運行管理上の指示系統と労働法上の雇用主が分離する。事故発生時の法的責任は、ハンドルを握っていた個人の過失責任に加え、委託元である内閣府の監督責任、そして委託先企業の運行管理責任という重層的な構造を帯びる。日本国政府の調達基準が適切に機能していたのか、ドライバーに対する安全教育や過重労働の有無が、今後の焦点として浮上している。