参議院選挙の投開票を2日後に控えた2026年7月8日午前、安倍晋三元首相は自民党候補者の応援演説のため、近鉄奈良線・大和西大寺駅北口の駅前ロータリーに立っていました。平穏な選挙活動の現場は、わずか数分で阿鼻叫喚の惨状へと暗転します。
事件発生の瞬間から救命措置、死亡確認に至る詳細な時系列は以下の通りです。
【事件当日の詳細タイムライン】
・11:29頃:安倍元総理が演説台(ガードレールに囲まれた島状スペース)に上がり、マイクを握って演説を開始。
・11:31頃:背後約7メートルの至近距離まで接近した山上徹也被告が、手製の銃で第1弾を発砲。白煙と爆発音が響くも弾丸は命中せず、元総理が振り返る。
・11:31(約2.7秒後):さらに約5メートルまで間合いを詰めた被告が第2弾を発砲。散弾状の弾丸が元総理の首と胸部を直撃し、その場に倒れ込む。
・11:32:周囲のSPや警察官が被告を殺人未遂容疑で現行犯逮捕。現場で心臓マッサージとAED(自動体外式除細動器)による救命処置を開始。
・11:43:救急車が現場に到着。この時点で初期波形は心静止(心肺停止状態)を確認。
・11:54:奈良市平城宮跡の仮設ヘリポートから救急搬送とドクターヘリによる緊急空輸を実施。
・12:20:高度救命救急センターを有する奈良県立医科大学附属病院(橿原市)に搬送・到着。
・12:20〜17:00:福島英賢教授率いる救命医療チーム(医師・看護師ら約20名体制)が左開胸心臓マッサージおよび100単位(約2万ミリリットル)を超える大量輸血を実施。
・17:03:頚部創傷および左鎖骨下動脈損傷による失血死により死亡確認(享年67)。
現場となった奈良市大和西大寺駅周辺の構造は、360度開けたオープンスペースでした。背後からの接近を許した警護の隙が、取り返しのつかない事態を招く結果となりました。