全国各地に作られた施設の中でも、とりわけ語り継がれる伝説的存在が三重県伊勢市近くに建設された元祖国際秘宝館だ。広大な敷地に巨大な展示物を並べ、機械仕掛けのジオラマやSF的な世界観まで取り入れたそのスケール感は、当時の行楽客を圧倒した。SF映画のセットを彷彿とさせる未来的な内装と、古典的な性風俗のジオラマが混ざり合う空間は、カルト的な人気を博した。
一方で、伊豆半島の玄関口に位置する熱海秘宝館は、海を見下ろすロープウェイの山頂駅に併設されるという抜群の立地を誇った。鏡の部屋、飛び出す3D映像、動く蝋人形など、当時の最新技術を惜しみなく投入した展示手法は話題を呼び、熱海温泉の夜のシンボルとして長年君臨した。全国に数十箇所存在したとされるこれらの施設は、まさに地方観光の黄金期を象徴する存在だった。