毎日夜のニュースを通じてお茶の間に顔を馴染ませていた富川悠太氏。長年勤めたテレビ朝日を離れ、大手自動車メーカーであるトヨタ自動車へ移籍したニュースは、メディア業界全体に大きな激震を走らせた。かつて報道番組のスタジオで張り詰めた緊張感の中にいた男が、企業の公式メディアであるトヨタイムズの取材者としてマイクを握る姿は、従来のキャリア観を覆す挑戦であったと言える。
この大転換は、当然ながら家庭内の環境や親子の対話にも深遠な変化をもたらした。深夜におよぶ生放送から解放され、家族と向き合う時間が増えたことで、父と息子のコミュニケーションはより濃密なものへと変化していった。多感な時期を過ごす立夢氏にとって、安定したアナウンサーというポジションを捨ててまで未知の環境へ飛び込んだ父親の背中は、何物にも代えがたい「生き方の教科書」となったはずだ。