加害者たちがそれぞれの人生を歩む一方で、奪われた被害者の命と、残された遺族の時間は止まったままだ。遺族が受けた精神的苦痛は計り知れず、事件から30年以上が経過した今もなお、その傷が癒えることはない。加害者側から十分な謝罪や賠償が行われたとは言い難い状況も、遺族の無念を深めている。
近年、欧州を中心に広まる「忘れられる権利」の概念が日本でも議論されるようになったが、このような残虐極まる事件の犯人に対して適用すべきか否かについては、強い反発がある。社会の安全を守るための「知る権利」と、更生したとされる個人のプライバシー。この天秤は、常に前者に傾き続けている。