とりわけ部活動の現場は、密室化しやすい構造を抱えている。日本スポーツ協会(JSPO)は「暴力行為根絶宣言」を掲げ、不適切な指導の通報窓口を設置するなど対策を急ぐ。だが、強豪校や伝統校ほど「勝利至上主義」が根深く、指導者の絶対的な権限が崩れていない。
合宿先や鍵のかかった指導者室といった第三者の目が届かない場所で振るわれる暴力。それはもはや指導ではなく、支配の道具だ。科学的根拠に基づかない根性論と暴力指導は、選手のパフォーマンスを向上させるどころか、早期のバーンアウトや深刻なトラウマをもたらすことがスポーツ医学の観点からも立証されている。