東日本大震災の発生当時、大川小学校の校庭から避難を開始した直後に津波へ巻き込まれ、奇跡的に生還したのは児童4名と教員1名(教務主任)でした。絶望的な濁流の中から命をつないだ彼らは、震災から15年が経過した現在、どのような日々を過ごしているのでしょうか。
当時小学5年生で生還した只野哲也(ただの てつや)さんは成人後、大川小学校の語り部として精力的な活動を続けています。最愛の母や妹、祖父を同じ津波で亡くし、自身も過酷なサバイバーズ・ギルト(生き残ったことへの罪悪感)に苦しみながらも、「あの日起きた事実をありのままに伝え、未来の命を守りたい」という強い決意のもと、全国から訪れる教育関係者や学生たちに現場で語りかけています。
一方で、他の生存児童たちも20代半ばを迎え、一般社会人として新たな生活を築いています。震災直後から長く続いたPTSDや周囲からの視線に耐え、心に深い傷を抱えながらも、それぞれの日常を一歩ずつ歩んでいます。また、唯一生存した男性教諭は、精神的なショックや健康状態の影響から公の場に姿を見せることは極めて少ないものの、事故検証や裁判における詳細な証言記録は、当時の混乱を検証するための貴重な資料として残されています。