全盛期の松井稼頭央が誇った肉体で、最も語り草となっているのが極限まで絞り込まれた体脂肪率だ。シーズン中であっても5〜6%台をキープしていたとされるその身体は、余分な脂肪を極限まで削ぎ落とし、瞬発力と持久力を高次元で両立させたアスリートの理想形だった。
彼の肉体改造メニューは、当時としては極めて先進的だった。単に重いバーベルを持ち上げるクラシックなウエイトトレーニングにとどまらない。骨盤の回旋、股関節の柔軟性、そして体幹の連動性を損なわない「使える筋肉」の構築に徹底してこだわった。
スクワットやデッドリフトで強靭な下半身とポステリアチェーン(背面筋群)を鍛え上げつつ、メディシンボール投げやプライオメトリクスを組み合わせて瞬発力をブーストさせる。スイッチヒッターとして左右両打席から強烈な打球を放ち、遊撃手として広大な守備範囲を誇るための肉体は、緻密に計算されたスポーツ科学の結晶だった。