1962年、彼女は盟友であり稀代の天才俳優・勝新太郎と結婚する。映画ファンを沸かせた世紀のカップル誕生だったが、その先に待っていたのは想像を絶する波乱の日々だった。自らの理想を追求するあまり莫大な制作費を投じ、やがて巨額の負債を抱え込むことになった「勝プロダクション」の経営破綻。さらには度重なるトラブルや世間を騒がせるスキャンダルが容赦なく降りかかる。
普通なら逃げ出したくなるような逆境にあって、彼女が選んだのは伴侶を信じ抜く道だった。自身の貴金属や着物を手放して金策に奔走しながらも、記者会見では夫を責めるどころか優しく包み込むような言葉を口にする。損得勘定を超えたその無償の愛と覚悟は、昭和芸能史における伝説として今も語り継がれている。1997年に勝新太郎が逝去した際、涙を流しながらも「生まれ変わっても勝新太郎の妻になりたい」と語った姿は、日本中の人々の胸を打った。