煎茶を淹れる際に最も多くの人が犯している過ちは、沸騰したての熱湯をそのまま急須へ注ぎ込むことにある。茶葉が持つ真の甘みを引き出すための黄金比は極めて明快だ。標準的な2人分を想定した場合、「茶葉4g(ティースプーン約2杯強)」「湯量100〜120ml」「湯温70℃」「抽出時間60秒」が完璧なバランスを生み出す鉄則となる。
レシピ・調理科学の観点に基づき、NPO法人日本茶インストラクター協会などの専門機関が推奨する抽出法もこの数値を裏付ける。沸騰した湯を一度湯飲みに移すことで温度を約10℃下げ、さらに急須に移す際にもう10℃下げる。この「湯冷まし」のひと手間こそが、過度な苦味成分の溶出をブロックし、舌の上でとろけるような至高の甘みをもたらす鍵となる。