小柳トムの人生を語る上で、もうひとつの大きな光芒を放っているのが2人の実力派俳優、小柳心と小柳友の存在です。前妻との間に誕生した2人の息子は、いずれも「親の七光り」に頼ることなく、現場での叩き上げによって着実にキャリアを積み上げてきました。
長男の小柳心は、大ヒットドラマ『ROOKIES』の不良生徒役で鮮烈な印象を残し、その後も恵まれた体躯と骨太な演技力で舞台・ドラマ・映画に多数出演。近年では文筆業にも才能を発揮し、クリエイターとしての側面も強化しています。一方、次男の小柳友は、映画『トウキョウソナタ』での演技が高く評価され第23回高崎映画祭最優秀新人男優賞を受賞。『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』では主演を務めるなど、繊細な心情表現ができる本格派バイプレーヤーとして映画監督陣から厚い信頼を寄せられています。
特筆すべきは、小柳トムが息子たちの芸能活動に対して取ってきた距離感です。バラエティ番組での安易な親子共演を売り物にすることはほとんどなく、息子たちもデビュー当初は父親の名前を積極的に明かしませんでした。手記や過去の対談取材において、トムは「子どもが自分で選んだ道。親ができるのは飯を食わせることと、背中を見せることだけ」と語っており、過干渉を排した健全な独立心が2人の俳優としての矜持を育んだと言えます。